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着陸

最終旋回を終え着陸するグライダーの操縦席より見た長野市滑空場

上下左右に動く風に乱されないように機体を操縦しながら空中を飛び、降りたいと思った地点へと徐々に降下し、地面へ機体を接地させて減速し停止する。着陸に関しては離陸と違って、グライダーも飛行機も基本は同じです。

3次元の運動をしていた空中から、2次元の運動をする陸上へと移行するのですから、そこには難しさもあります。航空事故が一番多く起きているのも着陸時ですし、基本的な操縦の中で一番の難関が着陸なのは、今も昔も変わっていません。操縦の練習を始めたばかりの人にとっても、ベテランのパイロットにとっても、等しく課題であり続けるのが着陸です。

グライダーにはエンジンが付いていませんから、着陸のやり直しがききません。それゆえ、飛行機よりも難しいと思う人がいるのも事実です。しかしながら飛行機に比べて速度が遅いので、実際の着陸はそれほど難しいものではないのです。グライダーの種類によっても違いますが、おおむね高速道路を走っている車と同じぐらいの速度で着陸態勢に入ります。

またグライダーは抵抗が少なく、長い翼が高い性能を発揮するので、そのままの速度だといつまでたっても着陸することなく、水平に飛んで滑走路を飛び出して行ってしまいます。そこで良すぎる性能を抑えて降下する角度をつけたり、抵抗を増やして機体を減速させたりするための装置が付いています。

着陸進入中の複座グライダー SZD-50-3 プハッチ

最近のグライダーはほとんどがエアブレーキを装備しています。翼に抵抗となる板を突き出して、空気の流れを乱し、性能を抑えて抵抗を増やし、機体の降下する角度と速度を調整するのです。

降下する角度と機体の速度を上手く調整しながら、一定の地点へと機体をを操縦をする。空中ではあまり意識していなかった操縦の確かさが、一番要求されるのが着陸です。だれでも最初からできるものではありませんけれども、確かな腕前のある人と一緒に飛んでいるうちに、自然と着陸の腕前も上がっていくでしょう。自転車や自動車の運転を覚えて一人で運転することができるようになるのと同様に、グライダーも一人で操縦することができるようになるものです。

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